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  • 骨髄由来ミクログリアによる食欲調節へのダイナミズム

    我々は、骨髄由来細胞が脳内のparaventricular nuclei(PVN)領域に存在し、絶食にすることにより、より多くの骨髄由来細胞が多数PNV内に集まってくることを発見した。この細胞の動きは非常にダイナミックで、絶食によりPVNに集積した骨髄由来細胞は、再摂食により、速やかに消退し、もとの状態へと戻る(図1)。

    【図1】左図:前額断脳切片。PVN:paraventricular nuclei. 右図:絶食時にPVN内に多数のGFP陽性細胞を認める。摂食時はGFP陽性細胞が減少。

     

    このPVNに集積する細胞は、brain derived neurotrophic factor(BDNF; 脳由来神経栄養因子)を発現しており、PVN内のcorticotropin-releasing hormone(CRH) ニューロンとネットワークを形成しており(図2)、食欲コントロールに関連していることを見つけた。

    【図2】GFP陽性骨髄由来細胞が、NRH陽性ニューロンを取り巻き、関連している様子

     

    血球細胞におけるBDNFのコンディショナルマウスでは、視床下部での血球細胞由来のBDNFが分泌されないことにより、摂食量の増加、肥満を起こすが、BDNFを局所で補うと、摂食量はもとに戻ることを確認。骨髄由来の細胞が脳内の食欲中枢に移動して働くことで、食欲を抑制している仕組みを解明した(図3)。

     

    【図3】骨髄由来細胞の食欲調節機構の模式図

  • 論文

    Urabe H, Kojima H, Chan L, Terashima T, Ogawa N, Katagi M, Fujino K, Kumagai A, Kawai H, Asakawa A, Inui A, Yasuda H, Eguchi Y, Oka K, Maegawa H, Kashiwagi A, Kimura H.
    Haematopoietic cells produce BDNF and regulate appetite upon migration to the hypothalamus. Nat. Commun., 4:1526, 2013.