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  • 骨髄由来細胞を応用し筋萎縮性側索硬化症(ALS)の新規分子治療へ

    骨髄移植によるALSへの細胞治療は、以前より世界的に試みられていますが、著明な効果に乏しく、更なる改良や工夫が必要とされてきました。以前より骨髄由来細胞による細胞移植に関心を持っていた我々は、この骨髄細胞に神経保護作用を誘導することに成功し、ALSモデル動物で治療効果を示すことができました(図1)。

    【図1】上図:骨髄移植後のALSマウスの生存率。
    下図:骨髄細胞によるALSへの治療効果模式図。

    それは、Stem cell factor (SCF)と呼ばれる分化誘導因子下で骨髄細胞を培養し、ALSモデルマウスに移植するといった方法で、移植された細胞は、病変部位でミクログリア様の細胞へと分化し、GLT1という神経保護物質を発現することによってその治療効果を示していると考えられました(図2)。また、この細胞は、病態が進行するにつれ、多数脊髄内に集まってくることから、病態の進行に合わせて効果も上がることが予測されました。現在、さらなる理想的な治療方法の開発を目指して、骨髄幹細胞を目的の細胞(治療効果を有する細胞)にのみ誘導する方法を開発検討しており、臨床応用を見据えた自己骨髄幹細胞による理想的な細胞移植治療法の開発を進めています。

    【図2】SCF刺激後GFP発現骨髄細胞によるALSモデルマウスへの移植治療。多数の骨髄由来細胞(GFP陽性)がマウス脊髄組織内で認められ、ミクログリア様(Iba-1陽性)の特徴を持ち、GLT-1も陽性。

     

  • 論文

    Terashima T, Kojima H, Urabe H, Yamakawa I, Ogawa N, Kawai H, Chan L, Maegawa H.
    Stem Cell Factor-Activated Bone Marrow Ameliorates Amyotrophic Lateral Sclerosis by Promoting Protective Microglial Migration. J. Neurosci. Res. 92: 856, 2014.